医師のアドバイス 妊娠から出産に向けて
安房医師会理事 ファミール産院 杉本雅樹
館山市在住のみなさま、ご懐妊おめでとうございます。
初めて妊娠された方、既に何度か妊娠されている方、妊娠することは大変ほほえましいことであり、これから起こるイベントにワクワクされることでしょう。
また、程度の差こそあれ、同時に不安なこともあるかと思います。
我々産婦人科医師はじめ、助産師、看護師、その他お産に関わる人々は、妊娠されたお母様を応援すべく日々奮闘しています。
幸い安房地域には、総合母子周産期センターである亀田総合病院、地域の出産を担う清川医院、ファミール産院、助産所のねむねむという4つの分娩施設があるため、皆様は出産場所に苦慮することなく、それぞれ自分の考えにあった場所で出産でき、非常に恵まれた環境であります。
この場でみなさまにお話ししておきたいことは、妊娠、出産、育児は、けっして危険を伴う恐ろしいものではないということです。
もちろん出産にはリスクを伴うことは事実ですが、出産とはあくまでも子孫を残すための生理現象で、女性の人生の一場面であることを認識していただければと思います。
妊婦健診、出産費用が自費診療であることは、妊娠、出産は病気ではないということを考えれば理解できます。
それでは、より快適に妊娠生活を送るために気をつけることを示しましょう。
1.常に妊婦である現実を肯定的にとらえる
これから起こるであろうつわり、動悸などの様々な症状は、妊娠したことによる生理現象であることが多く、ほとんどの方々が経験することなので焦ることなく対処していきましょう
2.体を冷やさない
冷えは万病の大敵です。体を温める努力をしましょう
3.体重管理を行う
急激な体重増加は、妊娠高血圧症などの病気を引き起こすことがあります。また、出産時にトラブルを起こすことも多く、体重管理には気をつけましょう
4.良く睡眠をとる
睡眠不足は、集中力が落ち、ストレスの原因となります。適度な睡眠をとり、心身ともに健康な状態を保ちましょう
5.信頼できる主治医(含む助産師)といい関係を築いておく
妊娠、出産に伴う様々なトラブルに対し、的確に判断、助言を得られるかと思います。信頼できる医療者といい関係を築けるようにがんばりましょう。
私は、今までに数々の出産に立ち会ってきましたが、おおよそ上記の5つに気をつけていただければきっと快適な妊娠生活ができるかと思います。
出産は人生に何度も経験するものではありません。幸せに出産をむかえることは、次の妊娠に対しても前向きにとらえることができます。ご自分の納得できるお産ができるよう、がんばってくださいね。